実体験レポート

ファクタリング利用を断念した案件〜こんな時は使えません〜

どないです、社長さん。
資金繰り、毎日大変ですわな。

うちもご多分に漏れず、いざという時はファクタリングに助けてもろてます。
ホンマに早くて便利やから、今や無くてはならん存在です。

せやけど、実はうちも過去に「社長、この案件はちょっと…」て、ファクタリング会社から断られて、利用を断念したことがあるんですわ。
あの時は正直、冷や汗かきました。
「え、アカンのかいな!」って。

今日は、その時の正直な話をさせてもらおうと思います。
ファクタリングは万能薬やない。
うちが実際に「使えへんかった」案件を元に、どんな時にファクタリングが利用できんのか、包み隠さずお話ししますわ。
これから利用を考えてる社長さんの、転ばぬ先の杖になれば嬉しいです。

あれは忘れもせん、ファクタリングを断念した日

「これでイケる!」と踏んだ、1,000万円の売掛金

うちの体験談から話しますわ。
あれは確か、新しいNC旋盤の支払いが迫ってた時。

主要取引先A社向けの売掛金、約1,000万円があったんです。
いつも通り取引してる会社やし、支払いも遅れたことない。
せやから、この売掛金でファクタリングすりゃ、余裕で乗り切れると踏んでました。

担当者からの、まさかの一言

いつも付き合いのあるファクタリング会社に連絡して、「この売掛金で頼むわ」と伝えたんです。
そしたら、担当者から電話があって。

「社長、正直なところ…このA社さんの案件、今回は見送らせてもらえまへんか?」って。
耳を疑いましたわ。
「なんでや?いつも取引してるとこやんか!」って、思わず声が大きくなりました。

なんでアカンかったん?ファクタリングが使えない主な理由

ここからは、うちの失敗談も踏まえて、ファクタリング会社が「これは買い取られへん」と判断する主な理由を、うちなりに解説しますわ。
教科書的な話やなくて、現場の感覚で話します。

理由1:売掛先の信用力がすべて

結局、うちが断られた一番の理由はこれでした。
後で聞いたら、そのA社、うちへの支払いは問題なかったけど、他の会社との取引でちょっと良くない噂が流れてたらしいんですわ。

ファクタリング会社が見てるのは、うちの会社の信用力よりも「売掛先の信用力」
これが一番大事やと、身をもって知りました。
売掛先の経営が傾いていたり、税金を滞納していたりすると、途端に審査は厳しくなります。

理由2:その売掛金、ホンマに存在しますか?(契約書や発注書の不備)

うちは大丈夫でしたが、同業者の社長がこれで断られてました。
昔ながらの付き合いで、口約束で仕事を進めてた案件。

請求書はあっても、元になる契約書や発注書がない。
「これでは債権の存在を証明でけまへん」と言われたそうです。
面倒でも書類はきっちり残しとかんとアカン、ということですな。

理由3:支払いまでの期間が長すぎる売掛金

支払いサイトが90日とか120日とか、あまりに長い売掛金も嫌がられます。
なんでかって、その間に売掛先が倒産するリスクが高まるからですわ。

ファクタリング会社も商売ですから、リスクの高いもんは買い取りたないのが本音でしょう。
うちは大体60日以内の売掛金で相談するようにしてます。

理由4:売掛先が個人事業主のケース

これもよく聞く話です。
取引先が法人やなくて個人事業主の場合、やっぱり信用力の面で審査が厳しくなる。

会社の登記簿謄本とか決算書とか、客観的な資料が少ないから判断が難しいんでしょうな。
もちろん、継続的な取引実績があれば大丈夫なこともありますが、ハードルは上がると思った方がええです。

断られた後、うちはこうやって乗り切った

まずは銀行に頭を下げに行った

ファクタリングがアカンとなって、真っ先にやったのは取引銀行への相談ですわ。
「実はこういう状況で…」と正直に話して、短期のつなぎ融資をお願いしました。

時間はかかりましたけど、なんとか審査通してもらえて、事なきを得ました。
やっぱり日頃からの付き合いが大事ですな。

この失敗から学んだ、社長としての教訓

この一件で、ホンマにええ勉強になりました。
まず、ファクタリングをアテにしすぎたらアカンということ。
あくまで選択肢の一つで、銀行融資や手形割引とか、他のカードも常に持っとくべきやと。

それと、自社の資金繰りだけやなく、取引先の経営状態にも、もっとアンテナを張らなあかんと痛感しましたわ。

よくある質問(FAQ)

ここでは、よう聞かれる質問について、うちの経験から正直に答えますわ。

Q: 赤字決算や税金滞納しててもファクタリングは使えますか?

A: 正直なところ、うちも決算が赤字の時に使えたことはあります。
ファクタリングは銀行融資と違って、売掛先の信用力が一番見られるんでね。
せやから、自社が赤字でも諦めるのは早いです。
ただ、申込者であるうちの会社の信頼性もゼロやないんで、正直に状況を話すことが大事やと思いますわ。

Q: 複数のファクタリング会社に同時に申し込むのはアリ?

A: 個人的にはオススメしまへん。
もし、同じ売掛金を複数の会社に売ろうとしたら、それは「二重譲渡」っていう立派な犯罪になりますからな。
相見積もりを取るのはええけど、契約は一社に絞る。
一社ずつ、誠実に対応するのが筋やと思います。

Q: 審査に落ちた理由は教えてもらえるんですか?

A: まともなファクタリング会社なら、ちゃんと理由を教えてくれます。
うちが断られた時も、「実はA社さん、こういう情報がありまして…」と、言いにくいことを正直に話してくれました。
そこでごねても仕方ないんで、素直に聞いて次善の策を考えるのが得策です。

Q: 譲渡禁止特約が付いてる売掛金は、やっぱり無理ですか?

A: 法律が変わって、今は譲渡禁止特約があってもファクタリング自体は有効になりました。
せやけど、3社間ファクタリングの場合は売掛先の協力が必須やから、事実上難しいことも多いです。
うちみたいに取引先に知られたくない場合は、2社間ファクタリングなら問題なく使えるケースがほとんどですわ。

Q: 新規の取引先で、取引実績が1回しかない売掛金でも大丈夫?

A: これは厳しいかもしれまへん。
ファクタリング会社からすると、取引実績が少ないと「本当にこの売掛金は存在するのか?」「ちゃんと入金されるのか?」というリスクが高いんです。
最低でも2〜3回の入金実績があった方が、審査はスムーズに進むと思います。

まとめ

今回は、うちが実際にファクタリングを断念した、ちょっと恥ずかしい話をさせてもらいました。

ファクタリングは、我々中小企業の強い味方であることは間違いありません。
せやけど、決して万能ではない。
大事なポイントをまとめときます。

  • 一番見られるのは「売掛先の信用力」
  • 契約書や発注書など、書類はきっちり揃える
  • 支払いサイトが長すぎると嫌がられる
  • 個人事業主や新規取引先はハードルが上がる

大事なのは、ファクタリングを「最後の砦」やと思わんこと。
普段から銀行とも良い関係を築いて、いろんな資金調達の選択肢を持っておく。
そして何より、自社の経営状態はもちろん、大事な取引先のこともしっかり見ておく。

この経験が、今まさに資金繰りで頭を悩ませてる社長さんたちの、何かのヒントになれば、これほど嬉しいことはおまへん。
お互い、厳しい状況ですけど、知恵絞って頑張りましょか。