ファクタリング基礎知識

債権譲渡登記って必要?登記ありなしの違いを体験談で解説

どうも、埼玉で小さな町工場をやってます、田中です。

「ファクタリングを考えてるけど、債権譲渡登記ってのがよく分からん…」
「登記って、なんか大事(おおごと)な感じがするけど、ホンマにせなあかんのか?」

資金繰りのためにファクタリングを調べ始めた社長さんなら、一度はこんな疑問を持つんやないでしょうか。

何を隠そう、私自身がそうでした。
これまで何度もファクタリングで急場をしのいできましたが、その中で「登記あり」と「登記なし」、両方とも経験しました。

この記事では、ややこしい法律の話は抜きにして、私、田中が実際に体験したリアルな話をもとに、登記のあり・なしで何がどう違ったのか、どっちがええのかを正直にお話ししようと思います。

債権譲渡登記とは何か?

基本の仕組みと目的

まず、「債権譲渡登記ってなんやねん?」っちゅう話ですけどね。

うちみたいな町工場のおっちゃんにも分かるように言うと、「この売掛金(売上)は、うちの会社からファクタリング会社に譲りましたよ」っていうのを、国(法務局)に公式に登録しておく制度のことですわ。

なんでそんなことするか言うたら、ファクタリング会社からしたら「保険」みたいなもんなんです。
万が一、うちが倒産したり、同じ売掛金を別の会社にも売ったり(二重譲渡)するのを防ぐために、「この債権の権利はウチにありますからね!」って他の誰に対しても主張できるようにしとくわけです。

詳しくは「ファクタリングの債権譲渡登記とは?「なし」と「あり」では大違い」ってリンク先がわかりやすくていいと思います。

登記が求められるケースと任意のケース

ファクタリングには、大きく分けて2種類あります。

  • 2社間ファクタリング:うちとファクタリング会社の2社だけで契約するやつ。取引先にバレへんのがメリット。
  • 3社間ファクタリング:うちと、ファクタリング会社と、取引先の3社で契約するやつ。

このうち、登記を求められることが多いのは「2社間ファクタリング」の方です。
取引先に内緒で進める分、ファクタリング会社のリスクが高いんで、「登記でしっかり権利を確保させてくださいね」と言われることが多いんですな。

ファクタリングにおける登記の役割

つまり、ファクタリングにおける登記の役割は、突き詰めると「ファクタリング会社のリスクを減らすため」のモンなんです。

リスクが減るっちゅうことは、ファクタリング会社も安心して取引できる。
その結果、手数料がちょっと安くなったりする、というカラクリですわ。

初めてのファクタリング体験と「登記なし」の選択

資金繰りが火の車だった2022年3月

うちが初めてファクタリングを使ったんは、2022年の3月のことでした。

ありがたいことに、主要な取引先から1,200万円ほどの大口受注が入ったんです。
ただ、それを作るのに材料費やら外注費やらで、先に800万円が出ていく計算でして。

銀行に追加融資を頼んだら「審査に3週間はかかります」と。
「そんなん待ってたら納期に間に合わへん!」と、頭を抱えてた時に、顧問の税理士さんから「ファクタリング」を教えてもらったんです。

登記なしの2社間ファクタリングを選んだ理由

正直、最初は「手数料が高そう」「取引先にバレたら信用問題や…」とめちゃくちゃ不安でした。

何社か問い合わせた中で、あるファクタリング会社が「登記なしでもいけますよ」と言ってくれたんです。
理由は単純明快でした。

「とにかく急いでるんです!登記とかややこしい手続きしてる時間はないんです!」

もう、これだけです。
手数料が多少高くなるのは覚悟の上で、何よりもスピードを優先したかった
あの時の私には、それ以外の選択肢はなかったんですわ。

実際にかかった手数料とスピード感

  • 売掛金額:600万円
  • 手数料:12%(72万円)
  • 入金スピード:申込みから3日後

手数料72万円は、正直言って血の出るような金額でした。
でも、このおかげで材料を仕入れて、無事に製品を納めることができた。
機会損失を考えたら、必要経費やったと今でも思ってます。

率直な感想:「あの時は登記なしで正解だった」

今振り返っても、あの時の判断は間違ってなかったと思います。

もし「登記が必要です」って言われてたら、手続きでさらに数日かかって、本当に間に合わなかったかもしれん。
会社の信用を守るため、従業員の給料を払うため、あの時は「登記なし」のスピードに救われたっちゅうのが本音です。

登記ありファクタリングの経験とその違い

設備投資前の急な資金需要(2023年夏)

次に登記を経験したのは、その翌年の夏です。
工場の古い機械がいよいよ限界で、新しいマシニングセンターを入れることになったんです。

銀行からの設備投資ローンは下りてたんですが、納入時期が少し早まって、手元の運転資金がちょっと心もとなくなった。
そこで、またファクタリングのお世話になることにしたんです。

登記ありを勧められた時の正直な戸惑い

前回とは違う、手数料が安いと評判の会社に相談したら、こう言われました。

「社長、今回は金額も大きいですし、登記を入れさせてもらえれば手数料をかなりお安くできますよ」

正直、「登記」って言葉にビビりました。
なんか、差し押さえみたいな重たいイメージがあって…。
「それって、取引先にバレたりしませんの?」って、何度も確認しましたわ。

契約の手間、取引先への通知、そしてコスト

結局、手数料の安さに惹かれて「登記あり」で契約することに。
実際やってみると、こんな違いがありました。

  • 手間:司法書士の先生とのやり取りが発生。書類も増えて、ちょっと面倒でした。
  • 通知:2社間ファクタリングなので取引先への通知はない、と説明されました。ただ、登記情報は誰でも見れるんで、100%バレへん保証はない、とも。
  • コスト:手数料は8%まで下がりましたが、別途で登記費用(登録免許税と司法書士報酬)として10万円ほどかかりました。

「安心感」はあったが、「融通の利かなさ」も実感

ファクタリング会社からしたら、登記がある分「安心」なんでしょうな。
その分、手数料を下げてくれたんやと思います。

ただ、こっちからしたら、やっぱり「登記なし」の手軽さと比べると、融通が利かんなぁ、と感じたのも事実です。
申込みから入金まで、結局1週間近くかかりましたから。

登記あり・なしの違いを実感したポイント

私の経験から、登記のあり・なしの違いをまとめてみると、こんな感じですわ。

比較ポイント登記あり登記なし田中のホンネ
手数料安い傾向(リスクが低いから)高い傾向(リスクが高いから)登記費用も考えたらトントンちゃうか?
スピード遅い(登記手続きに時間がかかる)早い(手続きがシンプル)1分1秒を争う時は「なし」一択やな
心理的負担重い(「登記」の響き、バレるかも…)軽い(バレる心配が少ない)この差はデカい。夜ぐっすり眠れるか
信用面業者によっては「安心」と評価業者によっては「リスクあり」と評価結局はファクタリング会社の都合やな

手数料:登記ありの方が安かったが…

確かに、手数料率は「登記あり」の方が数パーセント安かったです。
でも、登記費用が別途かかるんで、最終的な手取り額で考えたら、そこまで大きな差はなかったというのが私の実感です。

スピード:登記手続きで1日〜2日余分にかかった

これが一番の違いでした。
司法書士さんとのやり取りや、法務局の処理時間で、どうしても数日は余分にかかる。
「明日までに!」みたいな状況では、正直厳しいです。

心理的負担:「登記」って響きがどうしても重い

これは理屈やないですな。
経営者として、会社の登記簿に「債権譲渡」なんて記録が残るのは、やっぱり気持ちのええもんやないです。
「誰かに見られたらどうしよう」っていう不安は、常につきまといました。

信用面:「登記ありなら安心」と言われた一言の重み

ファクタリング会社の担当者から「登記させてもらえれば、我々も安心してお取引できます」と言われた時、なるほどな、と思いました。
彼らにとっては、それがビジネス上の信用なんやと。
こっちの都合だけやなく、相手の立場も考えなあかんな、と勉強になりました。

債権譲渡登記をすべきか迷った時の判断軸

じゃあ、結局どっちがええねん、という話ですが、これはもう「会社の状況による」としか言えまへん
もし、昔の私みたいに迷ってる社長さんがいたら、この4つのポイントで考えてみてください。

  1. とにかくスピードが命か?
    YESなら「登記なし」。数日の余裕があるなら「登記あり」も検討。
  2. ファクタリングする金額は大きいか?
    数千万円単位になるなら、手数料が安くなる「登記あり」のメリットは大きいかもしれん。
  3. 取引先に知られるリスクをどう考えるか?
    絶対に知られたくないなら「登記なし」。ただ、100%ではないことは覚悟しとく。
  4. 手数料と登記費用のトータルコストで納得できるか?
    目先の手数料率だけじゃなく、最終的に手元にいくら残るかで判断する。

まとめ

長々と書いてしまいましたが、私の経験から言えるのは、債権譲渡登記のあり・なしに、絶対的な正解はないっちゅうことです。

うちの場合は、最初はスピード重視で「登記なし」、次にコストを考えて「登記あり」を経験して、それぞれのメリット・デメリットを肌で感じることができました。
どっちの経験も、今となっては会社の血肉になっとります。

一番大事なのは、ファクタリング会社の言うことを鵜呑みにするんやなく、自分の会社の状況をちゃんと見極めて、社長であるあなた自身が「今回はこっちで行こう」と納得して決めることやと思います。

この記事が、今まさに資金繰りで頭を悩ませている社長さんにとって、少しでも判断の材料になれば、これほど嬉しいことはありません。

まあ、こんな感じで我々中小企業は日々頑張ってるわけです。
お互い、なんとか乗り切っていきましょうや。